この記事は2007年5月に掲載されたものです。
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美内すずえと「ガラスの仮面」展

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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世田谷文学館で「美内すずえと『ガラスの仮面』展」が7月7日~9月2日に開催されます。文学館の展示と言われてもピンと来ない方が多いと思いますが、ここはなかなかの規模で、生原稿や愛用品の展示だけでなく、多彩な構成のパネル展示や復元物などもあり、美術展のようなカタログも販売します。

先日、現在開催中の「向田邦子 果敢なる生涯」展に行きましたが、素晴らしい内容でした。生きるパワーをもらった気がします。パネル展示が向田氏の人生を鮮やかに甦らせ、デザインも素敵でした。文化人たちがこの企画展用にコメントを寄せ、実妹の向田和子氏と爆笑問題の太田光氏がビデオレターで解説役を務めます。写真撮影は禁止ですが、再現された「寺内貫太郎一家」の茶の間だけは記念撮影可という遊び心もあります。向田ファンなら何度でも入り浸るのではないかと思いました。行く前はよくある郷土史コーナー的展示を想像していた私にとって、目から鱗の展示構成でした。学芸員がいい仕事をしています。

こうなると、『ガラスの仮面』展も期待で胸がふくらみます。美内すずえOFFICAL HOMEPAGEでは3月から展示アイデアを募集し、仮チラシによると劇中劇の再現コーナー、『紅天女』の装束、登場人物等身大パネルなどが決定しているようです。施設内の「喫茶どんぐり」では企画展にちなんだ特別メニューがあり、なにが登場するでしょうか。

常設展も見応えがあります。「下北沢界隈を行く―それぞれの私」「三軒茶屋・太子堂を歩く―まちの懐で」など、演劇ファンも関心の高いコーナーがいくつもあります。「寺山修司と〈演劇実験室・天井棧敷〉の誕生」にある「下馬の天井棧敷・平面図」は、かの有名な和田レヂデンス(「東京紅團」「寺山修司の東京を歩く -3-」参照)を、九條今日子氏、萩原朔美氏、森崎偏陸氏らの証言と、文学館スタッフによる採寸で榎本了壱氏が詳細に描いたもので、ここで初公開されたものです。ポスターにして販売してほしいと思いました。


美内すずえと「ガラスの仮面」展」への1件のフィードバック

  1. くりおね あくえりあむ

    7/7から世田谷文学館で「美内すずえと『ガラスの仮面』展」開催

    先月fringe blogさんで取り上げられていたこの話題、ああ紹介したいと思いつつ記事を書くのを忘れてしまっていましたが、本日かのこさんがエントリにされていた

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