この記事は2006年2月に掲載されたものです。
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宣伝美術のムック2冊

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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宣伝美術の参考になるムックを2冊ご紹介したいと思います。

デザインノート―デザインのメイキングマガジン (No.5) (Seibundo mook)
誠文堂新光社
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まずは、大阪のクロムモリブデン座付で宣伝美術・写真撮影を手掛けているシカタコウキ氏から推薦いただいた『デザインノートNo.5 アートディレクターが魅せる「写真」ディレクション』。グラフィックデザインと写真の関係をアートディレクター側から描いたもので、「小劇場界の宣材制作、とりわけ『写真』を扱うことについては、例えアマチュアであってもかなり参考になる」と評価されています。シカタ氏から寄せられた文章の一部を掲載します。

私自身が写真家であるということを差し引いても、フライヤーにイラストが描かれている場合と、出演者の写真が大きく出ているのとでは、手にした時のインパクトが大きく違うと思います。最近ではデジタルカメラ(取り分けデジタル一眼レフは、少しの知識でもマシな写真が撮れますね)の普及により、手軽に撮影できるようになったものの、それを適切にポスター・フライヤーへの組み込み出来ないものが多々見受けられます。写真の解像度や色空間・色分解などの技術的側面はむしろ「MdNムックシリーズ」などのほうが詳細に述べられていますが、当該書籍ではアートディレクターを中心としたスタッフワーク(とくに巻末の、打ち合わせから写真納品までの流れをまとめた記事はとても参考になります)について取材されているので、より実践として役に立つ情報でしょう。例えプロ並みの機材や技術は揃えられなくても、アマチュアでも十分真似できる工夫がたくさん載っています。むしろ、そのような情報のほうが、技術的情報よりも、良い宣伝美術への近道であると思っています。

シカタ氏も力説されていますが、自分には縁のない世界と考えずに、その志を出来るところから活かしてほしいと思います。

登場するアートディレクターは、サイトウマコト氏、永井一史氏、有山達也氏ら錚々たる面々。有山ファンにはうれしい『ku:nel』のメイキングもあります。

魅せるデザイン、語るレイアウト。―プロの実例から学ぶエディトリアルデザインの基礎
アレフゼロ
エムディエヌコーポレーション
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私からは『魅せるデザイン、語るレイアウト。プロの実例から学ぶエディトリアルデザインの基礎』。シカタ氏のコメントにも出てくる「MdNムックシリーズ」の一冊ですが、エディトリアルデザイン専業会社としては日本の草分け的存在であるアレフ・ゼロのケーススタディを満載した内容です。

類似書は多いと思いますが、テクニックではなくコンセプトを伝えるもので、デザイナーだけでなく編集者も刺激を受けるでしょう。雑誌の考え方がチラシに当てはまるとは限りませんが、随所にアイデアが散りばめられ、眺めているだけで制作者も参考になります。単なるレイアウト見本帳とは一味も二味も違います。