ぴあが「グルメぴあ」を売却したそうです。読売新聞によると、
「グルメぴあ」という名称ごと譲渡し、ぴあとの連携も継続していくそうですが、フリーペーパーに押されて休刊した『シティ情報ふくおか』なども見ていると、網羅型の情報を有料で販売する事業は、確実に曲がり角を迎えていると感じます。冷静に考えて、ネットの普及で『ぴあ』という出版物はその社会的使命を終えたんじゃないかという気がします。2001年のリニューアル以降、『ぴあ』は(電子)チケットぴあのインデックスにしか過ぎません。
今後も有料で情報を売ろうとするなら、そこでしか得られないセレクトやコラムが不可欠になっていくでしょう。特定の作品を深く掘り下げ、独断と偏見に満ちた文章が競い合っている、かつての『シティロード』のような誌面がいまこそ求められているのではないでしょうか。
公平に、どの作品も面白そうに紹介するような記事はもう要らないのです。本当にこれだと思う作品を、ライター同士が誌面の奪い合い(または誌面上でバトル)しながら載せるような情報誌しか、生き残れないのではないでしょうか。読者にお金を払ってもいいと思わせるには、その本気加減しかないと思います。
ちょうど「ネットワークユニットDuo」でも、情報のセレクトの難しさを取り上げています。自分と似た嗜好を持ち、経験度を考慮して作品を推薦してくれる案内人が必要だと思います。情報誌や演劇情報ポータルが目指すべきはそこだと思います。
若いカンパニーの多くは、網羅型でもいいから載りたいと思っているかも知れませんが、そこは情報の質をシビアに考えてほしいと思います。