『ミュージック・マガジン』5月号の記事が引き金になって、下北沢周辺の再開発計画が一般の人々にも大きな話題になっています。これは道路の計画ですが、小田急線複々線化工事と併せて地元では以前から説明会が開かれており、fringeでもその動向は注視しています。この件について演劇人の関心も高まり、メールもいただくようになりましたので、私の考えを書いておきたいと思います。
まず道路の是非は別として、「スズナリがなくなる」と心配されている方も多いようですが、そんなことはないでしょう。確かに「Save the 下北沢」の図面を見ると、補助54号線と茶沢通り(補助210号線)が合流する位置にある現在のスズナリは消えることになりますが、このような場合は代替地が与えられるはずですし、下北沢における劇場の重要性は行政も認知していますので、劇場の存在そのものがなくなることは考えられません。現在のスズナリに愛着があるという意見は理解しますが、老朽化が進んでいるのも事実ですし、代替地に新劇場という青写真はビジネスとして成立するものだと考えます。民間劇場ですので、こうしたことは本多一夫オーナーは充分検討済みだと思います。関西の劇場閉鎖問題と同じ視点で書かれている方もいますが、それは違うと思いますよ。どうか冷静になってください。
道路の必要性については、私も疑問に感じるところがあります。しもきた商店街振興組合街づくり委員会が提案している浅深度地下方式や歩行者広場のほうが優れていると考えます。ただ、このとき絶対忘れてはならないのは、行政側が大きな理由に挙げている防災面の配慮です。下北沢の路地の狭さは、本当に「今そこにある危機」です。道路をつくらないなら、震災や火事に備えた対策をきちんと提示する必要があります。というか、対策をいちばん目立つところに書くべきです。
「Save the 下北沢」も商店街振興組合も、防災面には触れていますが、扱いが小さすぎるのではないでしょうか。「Save the 下北沢」は「Q&A」の一項目として、「小型消防車も入れない路地の整備」「小田急線の地下化跡地を防災緑道として計画する」と書いていますが、これをトップページに大きく掲げると共に、地元にとっては痛みが伴うはずの「路地の整備」を進めていく呼びかけをしないと、片手落ちになってしまうと思います。下北沢の迷路のような雰囲気が楽しいというだけでは、取り返しがつきません。中には「下北沢に車は一切要らない」という極端な主張をする人も見かけますが、それはおかしいと思います。
阪神大震災を経験した者として言わせてもらいますが、東京の人の地震に対する意識は低すぎると思います。私はいまでも高い場所に物は極力置かないようにしていますが、東京の店に入ると高価そうなものが平気で高いところにディスプレイしてあって、「揺れたら全部終わりだな」といつも思います。昔は震度4くらいの地震が多かった東京のほうが意識が高かったのですが、阪神大震災以後は完全に逆転しました。いつ来てもおかしくない大地震なのに、東京の人は他人事だと思っているんでしょうか。阪神大震災で燃え尽きた長田の住宅密集地を思い出してください。
道路が不要だと考えるなら、防災面を真剣に考慮した代案を考え、その実行に動き出すべきでしょう。「いまのままでいい、なにも変えるな」は、私は無責任すぎると思います。
続・下北沢と舞台監督さん
下北沢の話は、「fring blog」の下北沢の補助54号線問題についてを読んで少しほっとしたところです。はい、落ち着きます。
ところで「舞台監督さん」て、「舞監さん」て略しますか?「ブタ監さん」て略しますか?
主に高校演劇出身の人や、アマチュア劇団の人は「ブタ…
「下北沢の補助54号線問題」について、
コメント書かせていただきます。
下北沢愛好者の一人、芝居好きの一人です。
なるほど……。
「Save the 下北沢」のサイトを知って
正直、うわっ大変なんだあって思ったのですが、それは
“下北沢における劇場の重要性は行政も認知している”
という事実がはたしてあるのかどうか、知らなかった
からでした。工事の是非はともかく、下北がいわば
「若気の至り文化」として一蹴されるような不安が
あったからでした。
私の場合は、自分がいまの下北を好きな理由を
言うとしたら、楽しい遊び場だから、というかなり軽いノリ
になります。愛情は深いけれども、
「失いたくない」と声高に言うにはあまりに
非力な、無責任な立場です。そういう意味でサイトに
同調するのはおこがましいと思っていました。
災害が起こるというシミュレーションが
実感として湧かないでおりました。
劇場が新築される約束事が取り付けられるなら、
いい話ですね。最新設備を入れてほしいとか
キレイな劇場になってほしいとかいう願望
よりもまず、下北の小劇場は好きだけど老朽化がね
……って気になるのは本音ですので。
下北沢は現在、その町構造の判りにくさ、駅の不便さ、もろもろを逆手に取ってそれを魅力にしている訳ですが、それはあくまでも外からやってくる人間の意見であって、住民からすれば単に「不便」以外の何ものでもないでしょうか?。街づくりはまず地元の住民の利便性と利益を最優先するものであって、「(それまでの)らしさがなくなる」とか個別の劇場の存続と言う、外部の利用する人間の感情だけで論じるのは、ちょっと違うのではないかと考えてしまいます。
さらば「下北沢」 – 補助54号問題と道路特定財源そして小泉改革 -
小田急線地下化を契機に行われる下北沢駅周辺の再開発について。補助54号と連続立体交差事業の概要、そしてそこからかいま見える道路特定財源の存在。車社会がこの下北沢の変化を支えていると言うこと、そして下北沢の今後の在るべき姿について、明確なものを示せない寂し…
どうも。なかなか公平の立場で意見されておりいたく感心しました。ほかのホームページでは反対の応酬ですから・・・
かつて、この世に生まれてから15年間下北沢に住んでいた自分として補助線はとても歓迎すべき構想であります。私は幼少の頃から道路行政に興味があり、とくに淡島通りの環七以西の延伸計画がずさんであったことには痛く心を傷つけられました。ところで、話を戻すと、三角橋とタウンホールを結ぶ道が計画されていることに関してはもちろん知っていました。俗にいう補助26号線です。私は、国道246の大橋交差点から、三角橋まで補助線が延びているにもかかわらずその先が一向にできないことにいらだちさえ感じていました。だいたい、東大キャンパスの目の前まで整備しておいて後はほったらかし・・・という行政のやり方には本当に不満を隠せません・・・。幾ら税金を使ってると思うんだ!!!税金つぎ込むからには完成させろ!!!淡島通りの件に関しても終点部に昔世田谷区(荏原郡?)役所があったから整備されたようなもんだという人もおるくらいです。ところで今なぜ急に補助線の整備を行っているのかは、とても簡単な理由で、首都高の中央環状線が開通すると大橋にJCTができ、環七からのアクセス道を整備しなければならない・・・という理由が一番だと思われます。確かにいまポツンと大橋JCTが完成しても国道246が混むだけで意味ない気がします。やはり環七級の補助線を整備するのが一番だと考えられます。話の上では歩行者用の道を多く確保するとありますが、一度道ができれば車線の数なんか簡単に変えられるし、地下に鉄道や道路を埋設することもできるし・・・。下北付近での地下化を拒む理由は地下空間の有効活用にあるのではないかという憶測さえできます。と、今まで長く書きましたが要するに私は賛成でも反対でもなく行政のやり方に不満をもってます。
Save the 下北沢
Save the 下北沢小田急線の地下化によりこれまで線路で分断され、街の開発が進まなかった(と言われている)下北沢が、この地下化を機に再開発の話でゆれている、という話があります。再開発では小田急の跡地をもとに下北沢の中心に幹線道路(片側2車線なのかなぁ?)を通…