こまばアゴラ劇場の全公演プロデュース化による劇場費無料を始めとする手厚い優遇措置は、若手カンパニーにとって現状で最も魅力的な制度に間違いないと思います。ベテランカンパニーの実験公演の場にもふさわしいでしょう。
2003年春のシーズンからスタートし、現在05年秋のシーズン募集中です。普通に考えれば応募が殺到し、物理的に審査不可能な状態に陥って、応募制限を設けるぐらいになるはずだと私は想像していましたが、それが意外に応募するところは限られているようです。理解に苦しむ現象です。
こんな好条件の裏にはなにかあると思われているのでしょうか。アゴラ劇場でやると平田オリザ氏に洗脳されて、そのうち青年団リンクに取り込まれてしまうと恐れているのでしょうか。アゴラ派というレッテルを貼られるのが嫌なのでしょうか。
そんなことないって。確かに「タダほど高いものはない」という格言もありますが、自分たちが明確な目標を持っていれば、逆にアゴラ劇場を利用するつもりで乗り込めばいいんじゃないでしょうか。仮に世間からアゴラ派と思われようが、それは狭い演劇村での話でしょう。どうでもいいことです。
通常シーズンなら最低2週間以上無料で貸りられるわけですから、仕込み・リハーサルに3日間取っても11日間上演出来ます。週末を2回入れることが可能で、この日程なら「予定が合わない」という観客の不満をなくせます。あとは作品が優れていれば、必ずクチコミで後半は満員御礼になるでしょう。
自分たちの実力を信じているのに、知名度不足や公演日程の短さを言い訳にしている若手カンパニーは、アゴラで11日間やってみればいい。そうすれば言い訳は一切出来なくなるし、自分たちの評価も客観的にわかるはずです。
小劇場で4~5日しか公演しないカンパニーが、なぜアゴラ11日間を利用しないのか。もし私が若いカンパニーを率いていたら、こんな好条件は絶対に見過ごしません。他の演劇人になにを言われようが、私は平気です。大切なのは、観客のために観劇機会を創出することでしょう。
地域のカンパニーも「サミット」ではなく、出来れば通常シーズンで2週間借りてほしいと思います。私は遊気舎時代に東京で長期公演する苦労を体験しています。よほどの自信作、演劇人生を懸けた作品でないと長期公演する気にはなれないでしょう。単なる思い出づくりか、作品を世に問いたいのか、その覚悟が公演日数で判断出来ます。
こまばアゴラ劇場「秋の提携団体2005」申し込みは、9月30日必着です。
僕も同じように思います。
アゴラ劇場は5階に宿泊できるし、楽屋にLANがきてるし、本当にいたれりつくせりです。
僕はアゴラ劇場の雰囲気(そんなものがあるとしたらですが・・・)とはまったく違う集団を2つ、あそこでやらせてもらいました。
結果、やってよかったと思う事ばかりでした。
しっかり情宣すればお客さんもかなり来ます。
地方の劇団、またはあの劇場の広さで芝居のできる劇団はぜひアゴラ劇場を使うべきだと思います。
僕もロングランはぜひ挑戦したいと思っています。