この記事は2010年2月に掲載されたものです。
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地域のアートマネージャーの雇用環境1

カテゴリー: さくてき博多一本締め | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 高崎大志 です。

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地域演劇において、アートマネージャーと呼べる職業は、一部の大都市をのぞけば文化行政関連部署(芸術文化財団や公共劇場など)にしかいない。といっておおよそ間違いないでしょう。
今回は、地域のアートマネージャーの雇用環境について考えてみたいと思います。

そのなかでも地域の文化行政関連部署にいる地域演劇アートマネージャーの雇用形態の多くを占めると推測される「嘱託」という雇用環境について考えます。
福岡では、これらの環境で働く人が地域演劇の振興に思い入れをもち、重要な役割を果たしています。
そしてそれらの人は「嘱託」という雇用環境であるため、一定年数の経過後はその芸術文化財団や劇場を離れ、違うポストにいくことなります。

これは自分の経験を通して思うのですが、地域演劇の状況に通じ地域の表現者と信頼関係を築き、その地域の将来を見据えた適切な企画立案が出来るようになるには10年はかかると考えています。
最初は予算を効率的に使えなかったり、成果が不十分な事業を立案することがあるかもしれませんが、それも仕方がないことと思います。逆に言えば、その経験を通じて地域の状況を知り適切な企画立案ができるようになるのだと思います。
それはアートマネージャーを育成するために必要な投資だということもできるでしょう。

ところが、雇用期間に制限のある「嘱託」というポストでは、この部分で大きなロスが発生してしまいます。
その方が雇用され3年から5年で独り立ちして、企画の打率が5割位になって、さぁこれからさらにいい企画をやっていこうという時に、雇用期間が終了するのです。
雇用期間終了となると、その方は違うポスト行くことになります。そこで、地域が育てた地域の実情を知る人材が他の地域に流出してしまうことは大変惜しいことだと思います。