第14回ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルの公開二次審査は、異例の9団体で行なわれました。出場するはずだった「ニセ劇団」(という名前のカンパニー)が直前になって辞退したためです。公開二次審査会場で事務局が発表したところによると、辞退も一次審査通過直後ではなく、その後のガイダンス日になってからだったそうで、せめて直後に辞退していれば、次点の繰り上げ出場が可能だったかも知れません。
「ニセ劇団」は辞退の理由を「えんげきのぺーじ」に書いています。この内容に対し、読者の方からfringeにご意見をいただきました。公式サイトに書かれている説明も併せて目を通しました。好意的に考えれば、あまり先のことを考えずにリベンジ気分で応募したものが通ってしまい、真剣に公演予算を考えるうちにガイダンス日になってしまったのかも知れませんが、この辞退理由には演劇制作の観点から非常に残念な内容が含まれています。
それは、旗揚げ直後で固定客がなく、このフェスティバルに参加することがリスキーだという件です。ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルは、「これからの演劇界を担う表現者を発掘し、表現の場を提供する」ことが目的で、新しい観客を獲得する場のはずです。カンパニーの固定客がいなくても、フェスティバル自体への固定客が存在する小劇場系では数少ない注目の場です。それをリスキーという理由で辞退されたのでは、このフェスティバルのコンセプト自体が否定されたわけで、主催者側の心境は想像に余りあります。
文章的には謝罪のスタイルになっていますが、これは明らかに逆効果でしょう。自ら応募して辞退した者の礼儀として、もっと違う表現が必要だと思います。