この記事は2004年8月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



「fringeオフライン」緊急開催

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

Pocket

fringeではオフライン企画として、緊急トークセッション「疾走するプロデューサー・倉迫康史」を8月15日(日)に開催します。これは「Ort-d.d」を主宰する演出家・プロデューサーの倉迫康史氏にスポットを当て、無名の存在から若手を代表する実力派の評価を勝ち取り、精力的な旅公演や地域とのコラボレーションを通してアーティスティックな表現者の新しい生き方を示した、その4年半の軌跡を追うものです。

まだ観客がその疾走に充分追いついてはいませんが、演劇人が集団の長期計画を考えるとき、「Ort-d.d」の生き方にはきっと驚かされることでしょう。過去にどの集団も歩んだことのない、小劇場の歴史に残る道を、「Ort-d.d」は突き進んでいます。その全貌が見えてきた2004年夏、倉迫氏の生の声に耳を傾けることは、あらゆる過程にいるプロデューサー、制作者にとって刺激になるはずです。

昨年、倉迫氏が家族を連れて東京から実家のある宮崎市に移住したとき、私はその壮大な野望を半信半疑で眺めていたものですが、いまや東京との2拠点制は確固としたものになり、宮崎でも旋風を巻き起こしています。公共ホールの芸術監督に迎えられる日も近いのではないかと思います。加納幸和(花組芝居)、平田オリザ(青年団)、宮城聰(ク・ナウカ)、安田雅弘(山の手事情社)の4氏が結成した「P4」。利賀で育まれたその遺伝子を、最も意欲的に受け継いでいるのが倉迫氏なのです。

このトークセッションは、地域で閉塞感、孤立感を抱いている演劇人にもぜひ聞いていただきたいと思います。東京一極集中を嘆くよりも、世の中を変えていくこんな方法があるということを、体感していただきたいと思います。お盆の真っ最中ですが、ぜひお越しください。小人数の会ですので、この場自体が新しい出会いになるはずです。

東京の皆さんには、もう一つ大きなプレゼントが用意されています。間もなく公募が始まる予定の、廃校を使った公共稽古場施設の内覧会を第2部としてプログラムしました。豊島区の旧朝日中学校を活用したこの施設は、画期的な貸出方法を計画しており、同じく廃校を甦らせた京都芸術センターを目標に準備を進めています。大きな話題になるのは間違いありませんが、この施設をいち早くご紹介し、志ある集団の参考にしていただくのが狙いです。稽古場ジプシーに苦しむ東京の皆さんにとって、希望の星になることでしょう。

倉迫氏の過程と、新しい稽古場施設。この二つは密接に結び付いており、その歴史はトークセッションの中で語られていくでしょう。いましか出来ない旬の企画、このタイミングだから出来るfringeならではの企画です。ご参加を心よりお待ちしております。

企画詳細・申込方法はこちらです。


「fringeオフライン」緊急開催」への1件のフィードバック

  1. 高野しのぶ

    告知が出てすぐに申し込みました。
    先日、『エレファント・バニッシュ』観劇後に世田谷パブリックシアター制作部長の高萩さんのお話を聞けたのも、ものすごく勉強になりました。
    今回も楽しみです。

コメントは停止中です。