この記事は2006年1月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。



なぜチケットに会場電話番号を入れないのか

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

Pocket

昔から疑問に感じていることですが、チケット券面に会場の電話番号を入れていないものが多いのはなぜでしょう。会場名と問い合わせ電話番号(カンパニーの電話番号)はあるのですが、会場の電話番号がないのです。

観客が電話を掛けようと思ってチケットを見るのは、どんな場合でしょう。私は、公演当日が圧倒的に多いと思います。劇場の場所がわからない、交通機関が乱れて遅刻する、台風直撃だが公演は予定どおりか等々……。そんなとき、私ならカンパニーの事務所ではなく直接劇場に電話したいと思います。これらの質問に臨機応変に答えられるのは、現場のほうが確実だからです。特に小劇場系では、公演期間中は制作部も全員小屋入りし、事務所は留守電になっていることがほとんどでしょう。留守電では会場電話番号を案内していると思いますが、だったらなぜ最初からチケットに記載しておかないのかと思います。観客にムダな電話代を遣わせることになりませんか。

チケットに会場電話番号を入れると、余計な問い合わせまで劇場に掛かって、劇場側に迷惑をかけると考える制作者がいるかも知れません。しかし、会場電話番号と問い合わせ電話番号を併記しておけば、観客は質問によってどちらに掛ければよいか判断するはず。公演当日に劇場の場所や興行の有無を案内するのは、よほど特殊な特設会場を除いて、劇場側の当然の役割でしょう(もちろん、情報は逐一制作者から劇場側に伝えます)。これは提携公演ではなく単なる貸館の場合も同じです。それを嫌がる劇場は、借りること自体を再考してもいいぐらいだと私は思います。そもそも、チラシには会場電話番号を記載しているわけですから、チケットに入れていけない理由はないのです。

オリジナルチケットはまだ会場電話番号が入っているほうですが、プレイガイド発券になると本当に少ないです。券面デザインは、自動印字部分以外は指定すればどうにでも変えられます。自動印字される会場名とは別に、1行設けて会場電話番号を入れるのは簡単なことです。私自身は必ず入れるようにしてきました。

これは若手だけでなく、ベテランカンパニーでも多く見られる現象です。改めるべき旧習の一つだと思います。