今回、芸文助成を例とした助成金申請のワークショップを行う中で、その地域にある公的助成金の果たす役割について思いをはせました。
それは、ただ単に助成金を出すということにとどまらず、次の助成金のステップになるということです。
芸文助成や民間企業の行う助成は、情報が中央に集中していますし、申請相談のハードルも地域にいると格段に高くなります。
一方、地域の公的助成金は、情報に接するのも容易だし、申請の相談のハードルも低いでしょう。地域の公的助成金をとることで、情報へのアンテナが高くなり、それをステップにして、次の助成金をねらうという制作者育成の道をつくることになります。
福岡を例にとっていうならば、福岡市文化芸術振興財団がおこなっている助成金はまさにこの役割を果たしていると言えるでしょう。近年、地元の劇団の採択が増えているようで、福岡の制作力のアップをかんじます。
制作講座で金沢にいっていますが、金沢にはこうした地域の公的助成金がないそうで、そのことを残念がる声に接しました。
額は少なくても良いので、身近な助成金をつくることは地元の芸術団体を育成しますし、助成する側にとっても、地元の芸術団体の生の声を聞く良い機会になるでしょう。