この記事は2005年11月に掲載されたものです。
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柴田理恵氏の結婚式

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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コミック誌には波というものがあり、世代によって「あのころはあの雑誌が輝いていた」という思い出が必ずあると思います。私の場合は70年代半ばの『週刊少年チャンピオン』、80年代後半の『WEEKLY漫画アクション』が双璧でしょうか。

前者は『ブラック・ジャック』を筆頭に、よくあれだけの連載が揃ったと思いますし、後者はなんと言っても『迷走王ボーダー』の存在が大きかったと思います。「22世紀に残したいマンガの殿堂」が書かれているとおり、私も含めて『ボーダー』が「人生のバイブル」という男たちがあふれていました。2002年に復刻版が出たときは、本当にうれしかったです。

その『アクション』に連載されていたのが、いしかわじゅん氏『フロムK』。吉祥寺在住のいしかわ氏が、身辺雑記をエッセイ風の漫画にしたもので、当時としては画期的な手法だったと思います。そのテイストを文章で表現したのが『秘密の手帖』で、文庫化に際し『業界の濃い人』に改題されました。『フロムK』好きで『秘密の手帖』未読だった私のためにあるような本です。『フロムK』とかぶるネタも多いのですが、たいへん楽しめました(いしかわ氏と狩撫麻礼氏が衝突した『ボーダー』幻の90話の件は、もちろん知っています。それも含めて、当時の『アクション』は熱かったと思います)。

業界の濃い人
いしかわ じゅん〔著〕
角川書店 (2005.5)
ISBN : 4041795052
価格 : ¥580
通常2-3日以内に発送します。

いしかわ氏は小劇場通としても有名で、『業界の濃い人』にも演劇人との交流が多数書かれています。それどころか前川麻子氏に誘われ、アンファン・テリブルエリート『主婦マリーがしたこと』(1994年、渋谷・シードホール)に出演(稽古1か月半、本番12日間15ステージ)したほどです。

そんなエピソードの中で、一つだけ「あれッ」と思った個所がありました。WAHAHA本舗の柴田理恵氏が劇場で結婚式を挙げた詳細を書かれているのですが、場所を下北沢のザ・スズナリにされています。スズナリの描写まで書かれているのですが、これは同じ下北沢でも駅前劇場ではないでしょうか。現場に立ち会った関係者から、私はそう聞いています。