ネット劇団員募集します。

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このトピックには 0 返信 、 1 ボイス が含まれます。 最終更新 by  msakyabu@gmail.com 3 週, 4 日 前.

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    初めまして。
    Blue Sky
    といいます。
    年齢は41になります。

    ずいぶん前ですが、演劇をしていました。

    これからネットの媒体(YouTubeかポッドキャストを考えています)のなかでお芝居(ラジオドラマのようなもの)をやっていこうかと思っています。

    どちらも、今のところ、みんなで脚本(基本的にはぼくが書きますが、みんな自由で書いてもらっていいと思います)を、朗読の形式で、ネットにアップしていけたらと思います。

    割と真剣にやろうと思っています。

    ラジオドラマに関する、あるいは、一般のyoutuberのコンテンツのように、ルポのような感じでも、あるいは二人以上の談話形式でも、

    まずは、声を主体に参加していただける方を募集します。

    企画や制作サイドはぼくが負います。

    メールやスカイプで連絡を取って、全国で良いメンバーが集まってくれればと思っています。

    コンテンツは、Blue Sky(無価値の、机上の空論の)ということで、とりあえず。

    年齢も、経験も問いません。

    面白いことをやろうという方。

    とりあえず、

    この募集のために書いた、短い台本(掌編小説)として「ジャイアンの日常」を載せます。

    ★掌編はジャイアンの日常を使用しました★
    (ラジオドラマだから、少し一般的に食いつきのいいやつを選んだ)

    ジャイアンの日常

     ドラえもんが二十二世紀に帰ってもう二十二年が経つ。あの時流れた時間は今では過去の記憶の彼方かそのまた夢の中で、もうすっかり厳しい現実の生活に押し潰れそうだ。
     しずかちゃんは、すっかりのび太の嫁さんに納まってしまい専業主婦に勤しんでいる。子どもの教育費がどうの、今日の白菜とニラが何でこんなに高いのと、おれのところに愚痴を漏らしにくるのも少なくない。のび太の家もアレはアレで大変らしい。おれが住む街で唯一、大学へ進んだのび太は、両親を介護施設に入れたきり、日々家と研究室の往復だそうだ。一人娘ののび子もまだ五ヶ月で、しずかちゃんが負ぶっている姿をいつも見かける。郊外にあるロボット工学研究所研究職であるのび太の給料だけじゃどうにもやっていけないらしく、しずかちゃんは最近、少しでも家計の足しにと近くのスーパーのレジのパートを始めている。まァ、おれの同僚って訳だ。
     おれとしずかちゃんとの違いは、五年目の今のおれが契約社員で、最近入ったしずかちゃんがパートだということだけだ。
     彼女の仕事ぶりを見ればその有能ぶりは誰の目にも明らかだ。あァも仕事で笑顔を振りまいて張り切ってやってもらうと、コチラにまでしわ寄せがくる。
    「今は頑張っただけ何かが返ってくるアノ頃じゃないんだから」
     ってしずかちゃんにいってあげたいのだがそれはいえない。このジャイアン、いや、あのジャイアンであったおれでもいえない。彼女は目の前の仕事を頑張っているだけなのだ。それが働くママというものだろうか。あァもあくせく働く後ろ姿を眺めると、まるでドラえもんがいた頃ののび太のママに生き写しみたいに見える時がある。最近はメガネを小指で整える姿、のび太を呼ぶ時に猫が尻尾をペンチで潰されて叫ぶような声、世間体を気にするために視線をメガネにサッと隠す術までもが似てきた。
     スネ夫はというと、親父からの会社を引き継いだは引き継いだのだが、引き継いで瞬く間に潰した。どうやら経営には向いていないらしい。初代経営者が偉大であるほど二代目が駄目なものだ。スネ夫は目先の現金に釣られ会社の顧問弁護士と税理士にうまくヤラれ、取締役会議で代表取締役から引きずりおろされた。風の噂ではそれからスネ夫は家にある金庫から幾らかの現金を持ち逃げし、富山にある花街でファッションヘルスを経営しているらしい。スネ夫の親父が築いた一時期盛栄極めたあの米麹会社もどうなることやら。
     そしておれはというと、十二年前、母ちゃんが脳梗塞で死、父ちゃんが後を追うように家の梁にぶら下がって死に、唯一残った遺産、八百屋の不動産の遺産相続でジャイ子と法廷闘争まで縺れ込み、兄妹関係も泥沼化し、おれは漫画家として成功しているにも関わらず、金で豹変したジャイ子の欲の深さに嫌気がさし弁護士にも進められるまま遺産放棄をすることにした。親父は酒飲みで元々母ちゃんが女手一つで切り盛りしてきた八百屋も父ちゃんがひとりで切り盛りできるわけもなく、そのうえ近くに出来た巨大複合商業施設ツェルマットの煽りを食っていた。まるで基督の再降臨でも待ち望んでいるようなシャッター街で、それも虫の息のように佇むちっぽけな八百屋がやっていけるわけがない。不動産だって相続税を払えば売り払うしか他に手はないし、遺産などはほとんど残らない。それでもジャイ子はそれに執着している。正直言って同じ腹から生まれた兄貴のおれにもジャイ子が何を考えているのかさっぱりわからない。
     その後、つまりおれが遺産放棄をしてからわかったことだが、実はジャイ子は漫画家などにはなってはなく、ただ東京にでて漫画家の助手、アルバイト程度のベタやスクリーントーンの切り貼りを二十五年やっていたことが分かった。二十五年。長い歳月だ。親が死に遺産相続の書類をジャイ子に送ってすぐおれの電話が鳴った。その時、ジャイ子はおれに元気な声で、
    「私はもう漫画家で成功を収め金には不自由していないけど漫画のモチーフとして取材で遺産相続をしたいのだけれど」
     おれはジャイ子が住む東京下町へと出かけ弁護士と名乗る男と話をした。そして先におれが話した通り目の色を変えて自分の権利を主張し始めたというワケだ。
     結局ジャイ子は相続権を手にすると漫画家になる夢をアッサリ捨て相続税を引いたひとツマミの現金を持ってどこかへ消えてしまった。興信所で調べてもらったが消息は未だ分からず。海外にでも渡ったのだろうか。まァそんな勇気もあるまい。
     ドラえもんがいた頃は現実がこんなに厳しいものなんて思ってもいなかった。ただ虫の居所が悪ければ意味もなくのび太を呼び出し、思いっきりぶん殴れば気が済んだ。無性に何かが気に食わない時、腹の虫が収まらない時は誰かれ構わず空き地に呼びだし土管に立って大声でおれの歌を轟かせまたのび太を殴った。ただそれだけで気が済んだ。
     あの頃はドラえもんの道具で過去や未来に行ったり来たりの冒険に現を抜かし、なんだか今思えばおれの過去すべてが夢まぼろしのようだった。
     ドラえもんが未来に帰ってからは、厳しい現実生活が待っていた。
     おれは農業高校をでてすぐ母ちゃんと父ちゃんが死んで八百屋は潰れた。時代も不況でもう最悪だった。就職活動も履歴書を三百通だしてやっと入った。といってもその実、のび太のコネで最終面接までいき更に口添えがあって最終面接を潜り抜けただけだった。だがおれがようやく入ったその大手衣類メーカーのコニクロはあろうことか農業や鉄鋼業にまで手を広げそれがすぎたのが原因で経営が傾いた。事業縮小と人員削減のため早期希望退職者を大量に募った。自分がリストラされるのは目に見えているからおれは早めに会社に見切りをつけ、僅かばかりの退職金を受け取って辞めた。
     こんな不況のご時世で三十路で定職を失ったおれ。これからいったいどうすりゃいいんだ。悩みに悩んだ。もう一度のび太に頭を下げにいこう。いく度も考えた。背に腹はかえられない。とおれがのび太を殴った同じ回数。おれは考えた。
     結局、おれらの中でのび太が一番強かった。おれに千遍万遍いや百万遍殴られようがのび太はおれに立ち向かってきた。時にはドラえもんが後ろにいない時でさえも。そして、ドラえもんが未来に帰った後さえでも。のび太はおれに幾度となく立ち向かってきた。
     おれは思う時がある。ドラえもんがいたからのび太が強くなったのだろうか?と。逆にもしこのおれにドラえもんがいたら?おれは今ののび太みたいに黙々と涙ひとつ愚痴ひとつ溢さず生きられるだろうか。
     あの時いや今でも喩えおれにドラえもんがいてもなんの役に立つまい。今ののび太に、おれよりも必ずひとつ分多く歯向かってきたのび太に、ドラえもんなど、もう必要ない。
     おれは思う時がある。ドラえもんの道具やのび太とともにした冒険を思い出すたび、もしかしたら、のび太がドラえもんを製作しているのではないだろうか?と。
     のび太は高尾工業大学ロボット工学研究所准教授を勤めている。実は奴が一番の幸せなのかもしれない。幼馴染のしずかちゃんを嫁にもらい、子宝に恵まれ、円満かどうかは別として家庭を作り、一家の大黒柱として家を守っている。
     母ちゃん父ちゃんの死によって実家の家屋も土地も職も凡て失ったおれは、ようやく一念発起をした。のび太に頼らずに何かをしたかった。英語は苦手だが農業高校で培った経験を活かしたく青年海外協力隊に応募した。
     それがその時、おれが生まれて初めて自らの手で選んだ自分の道だった。自分の人生の扉なんてモノは、のび太をいく億万遍殴ったって開かない。土管のうえで幾ら叫んでも誰も聞き入れてくれやしない。黙ってただ自分の足で一歩を踏みだし、痛みと血の滲んだ自らの手で抉じ開けるしかない。おれは応募に六度失敗し、しずかちゃんとともにスーパーのレジ打ちで食いつないでいる。

     そして七年目の今日。オレは海外協力隊員として東アフリカのタンザニア連邦共和国へと渡った。

     それから瞬く間に三年の月日が経った。
     タンザニア連合共和国は、東アフリカの中央部に位置しケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、ザイール、ザンビア、モザンビーク、マラウイと八カ国の国境に面した国だ。東はインド洋に面し、面積は九十四万平方キロメートル。日本の二・五倍だ。日本に知られるのはアフリカ最高峰のキリマンジャロ山やメルー活火山。そして広大で美しいビクトリア湖だ。自然の豊かな国だ。気候は熱帯気候で植生は一般にサバンナ気候。農林・漁業者就業率が八十%以上と農業大国であり平均寿命は大体四十五歳。乳児死亡率が高く十五歳以上の文盲率は30%以上。恵まれた環境とはいえない世界の貧しい途上国のひとつだ。
     おれはキウオ村というキリマンジャロ山の麓の人口三百ほどのトウモロコシ畑に囲まれた村に駐在している。背の高い喬木と灌木が入り混じり家屋は乾燥させた泥で壁を作りトタン板を乗せた程度のものだ。キウオ村にはまだ電気はなく、夜は牛の糞に灯した火で九九を習う少女の声が聴こえてくる。サバンナ方面に目を向けるとよくゴマ塩風景を見かける。ゴマ塩風景というのはおれが勝手に名づけた景色だ。それは草地の緑を黒く塗りつぶすほどヌーの群れが草を食んでいて、その群れの間に水鳥が何かを啄んでいる。そんな風景だ。
     日の出前。乳搾りの、バケツに当たるシューシューと乾いた音が聴こえ、おれは目覚める。陽があがる前には女たちは、気が遠くなるほど遠くにある井戸へ水を汲みにいく。東の空が白み始める頃、釈迦の頭のような子供らが濡れたビードロのような目をさせて牛の放牧から帰ってくる。そんな風景を見ながらおれはトウモロコシの粉を湯で溶いたウジという飲み物を飲んでからだを温める。金を出せばコーヒーだって買って飲めるが、せっかくキウオで働いているんだ。おれは毎朝ウジを飲む。
     昼間、田畑で作業をしていると、
    「ジャンボ!」とか、
    「シカモ~!」とか、
     学校の教室をひょいと覗くと、チョークが黒板を走る音が聴こえ、可愛いチビクロサンボらが身を乗りだして黒板をギラギラ見つめている。外ではサッカーだかバスケットだかよくわからない球蹴りをしている。真っ白な歯をまるでおろしたての蛍光灯のように光らせながら。おれはそうやって毎朝キリマンジャロ山を見あげながら農業指導員として繰りだす。草地に畑を作り、灌漑や農業技術を教えている。昼は血が蒸発するような熱気に包まれる。そんな毎日だ。
     日々疲れは絶えない。だが不思議と休日を使ってでもわざわざスワヒリ語を学んでみたり、時間をかけ首都のダル・エル・サラームまで足を運び、そこで知り合った友人が経営するナイトパブへ顔をだしたり、口汚い白い女を買ったり、バックパック一つでビクトリア湖までキャンプをしにいったり、ルフィジ川で釣りを楽しんだりしている。釣り。日本にいた頃には想像もつかなかったことだ。

     そう。それはタンザニアに派遣されて三年が経ったころだった。
     そろそろ帰国だというとき。こんな地球の果てともいえる僻地で偶然にも、小学生のあのころの同級生と邂逅した。
     そうそう、すっかり紹介を忘れていた。今回の主人公の、彼。
     彼とはタンザニア北部にあるオルドパイ遺跡から約二十キロ南下したある農村で再会した。
     その前にオルドパイ峡谷とは、1059年ルイス・リーキー博士と彼の夫人が石器時代のアウストラロピテクスの骨を発見した地だ。
     奇遇にもおれは、観光者としてそこの村に泊まっていたのだ。おれは翌朝キウオ村へ帰る予定だった。彼は、その村に到着したばかりだった。邂逅はその晩だった。
     彼とは、ドラえもんがいたころの、そう二十二年前の、あの優等生だった出来杉だ。ドラえもんが未来に帰った翌週出来杉は別の街へ転校していったのだ。
     出来杉はおれよりさらに二年前から青年海外協力隊員としてタンザニアのインド洋に面する幾つかの小島で島民の健康と衛生管理、特にエイズの予防医として駐在をしていた。そして出来杉は医者ともう一つ、考古学者という肩書きを持っていた。出来杉の勤務地はザンジバル島なのだが、今日は後輩医者の指導と自分の考古学研究を兼ね、オルドパイ遺跡に休日を利用してやってきたのだという。
     出来杉は熱を込め「ジンジャントロプス・ポイセイ」だとか、「ボイジイ」、「ホモ・ハピリス」、「チョッパー」など考古学専門用語を使って饒舌に説明してくれるのだがおれに考古学知識などはなく、出来杉が何をいっているのかおれにはさっぱりわからなかった。
    出来杉の熱を帯びた口調。全身で語るマイム。精妙な声帯模写。それら総てに耳を傾けていると、おれは赤面しているのに気がついた。
    出来杉のひとことひとことが鉄拳になっておれの赤面をさらに砕く。その晩のおれは、あの頃ののび太と同じく、出来杉の口から機関銃のごとく飛びでてくる理解不能な言葉の数々一言一句に黙って耐えるしかなかった。出来杉の言葉は、のび太を殴っていたおれの鉄拳そのものだった。話に熱中する出来杉は、まだドラえもんがいたあの頃の傍若無人のおれのごとく熱く乱暴にいつまでも語りかけてくる。いつまでも。いつもでも。
     おれは苦虫を噛み出来杉に、おれはキウオ村という農村で灌漑事業やヤシ油製造の手助けをしている。としかいえなかった。
     おれは出来杉の話を聴けば聴くほど顔が歪んだ。耳はよじれ、鼻はちぎれ、顎は落ち、眼窩は窪み、目玉は消滅していった。まるで深海のプレス機で押しつぶされる発泡スチロールのようにおれのからだは小さく醜くなっていった。おれは出来杉に、のび太やしずかちゃんスネ夫の情報を、やんわり、波風が立たぬようそっと、ひどく遠回しに歪んだ形でしか伝えることができなかった。
     すると出来杉、
    「しずかちゃんかア…懐かしいなァ…実はね彼女ボクの初恋の人。だったんだよなァ、そっかあ、のび太クンと結婚したんだア、良かったなァ、きっとお似合いだと思うヨ、幸せにしているんだろ、彼女?本当に良かった」
    本当のことなんか、口が裂けてもいえない。出来杉のホロ苦初恋ばなに話題を切り替えおれは茶を濁す。
    「出来杉にも弱点があったかァ、ハハハ。恋愛はこれからのおれたちの課題だな」
    「ウン」
     夜が深けていく。夜空に満天の星辰がまるでプラネテリウムのようにおれと出来杉を包みこむ。
    出来杉はそんなおれの心を見透かしたように、
    「これプラネタリウムじゃないんだよね」
     噛めぬ苦虫を飲み込んだおれは帰り支度をすませ、出来杉は明日の朝オルドパイ峡谷へ出発するための用意をした。
     その夜は互いにいつになく深い眠りについたのだった。

    Sky Blue

    ★連絡先★
    msakyabu@gmail.com

    2018/05/01/tue/

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